休眠預金活用事業の枠組み

助成事業(通常枠・緊急支援枠)

休眠預金等を活用して社会課題の解決を目指す団体を「実行団体」と呼んでいます。
JANPIAは、特定の社会課題分野や地域の実情に精通した「資金分配団体」を通じて、実行団体への支援を行っています。
JANPIAは資金分配団体を、資金分配団体は実行団体を、それぞれ公募により選定しています。

【助成事業のイメージ】

2018年に休眠預金等活用法が施行され、2019年度から資金分配団体に対する助成が開始されました。
助成事業では、通常枠と緊急支援枠の2種類の公募枠が設定されています。
通常枠は、民間の創意工夫を発揮してもらうため、助成する期間を複数年(最長で3年)としています。
緊急支援枠は、休眠預金等活用制度の対象となる活動分野において緊急的に生じる支援ニーズに対応するものであり、助成する期間は最長で1年としています。

活動支援団体

助成事業の実施に当たっては、資金分配団体や実行団体に対して、専門的な知識やノウハウの共有などの非資金的支援を提供することが、特に草創期の活動支援に効果的であり、その後の団体の自立につながることがわかりました。
そこで、法施行後5年を目途とする見直しが行われた結果、これまでの資金支援を中心とした資金分配団体の助成事業とは別に、こうした非資金的支援を専門的に実施する「活動支援団体」を、新たに創設することとなりました。

【活動支援団体の支援イメージ】

活動支援団体は、以下に対して、それぞれが抱える組織や活動上の課題に応じて、専門的なアドバイスや支援を伴走型で行います。
(1)資金分配団体になることを目指す団体や、既存の資金分配団体
(2)実行団体になることを目指す団体・個人や、既存の実行団体

具体的な支援の内容は、以下の4分野です。
(1)事業実施(案件形成、ネットワーク形成、助成事業の運営等)
(2)組織運営(ガバナンス・コンプライアンス体制の構築、資金管理等)
(3)広報・ファンドレイジング
(4)社会的インパクト評価(評価手法の習得、ロジックモデル作成等)

活動支援団体によるこれらの支援により、ソーシャルセクターの担い手が育成されること等が期待されています。

出資

社会課題の解決と経済成長の2つを追求する社会的起業家が増加し、新たな資金需要が生じる一方で、これまでの助成による資金提供では、こうしたニーズに十分に応えられていませんでした。
そのため、法施行後5年を目途とする見直しが行われた結果、助成に加えて、出資による資金支援を始めることになりました。

出資事業では、出資を専門に実施するファンドや株式会社を、JANPIAが資金分配団体として公募で選定します。その上で資金分配団体が、社会課題解決を目指すスタートアップなど民間資金が十分でない株式会社(実行団体)に対して出資を行います。
資金分配団体はJANPIAからの出資だけでなく、民間の事業者からも出資を受けた上で、実行団体に出資します。

【出資事業のイメージ】

出資事業の実施により、ソーシャルセクターへの民間資金の呼び水効果を一層発揮させること等が期待されます。