【出資】出資事業における社会的インパクト評価は具体的にどのように実施されるのでしょうか?

実行団体の社会的インパクト評価については、社会的成果の把握に必要なデータを資金分配団体と共有するなど、資金分配団体と連携して評価を実施します。資金分配団体は、各実行団体の社会的インパクト評価結果をインパクトレポートに適切に反映させます。
また、資金分配団体は、自らの出資事業全体について、事前評価は申請時や審査過程で行い、中間評価は出資期間終了時に、事後評価はファンド終了時に総合的な評価を実施します。これらの結果はインパクトレポートにも反映させます。
いずれにしても、社会的インパクト評価を実施する際には、実行団体の事業フェーズやリソースなどを考慮しつつ、事業の価値をさらに高めることを目的として行うことが重要です。

資金分配団体の社会的インパクト評価については、自らの出資事業全体について、事前評価は申請時や審査過程において、中間評価は出資期間が終了した時点において、事後評価はファンドが終了した時点において、総合的な評価を実施し、これらの結果についてインパクトレポートにも反映させます。いずれも、作成したToCに照らして評価を行うことが重要であり、実行団体の社会的インパクト評価の総和だけではない要素も含まれると考えます。

活動支援団体が行う社会的インパクト評価については、活動支援プログラムを実施したことによる支援対象団体の目標達成度を把握し、検証することに加え、当該プログラムの有効性など活動支援団体自身の活動も含めて、総合的に評価を行うことが求められます。資金支援の担い手や民間公益活動を実施する担い手となる団体の支援にあたって、活動支援プログラムの有効性や課題、当該プログラムの機能や役割等について分析することで、ソーシャルセクター全体に貢献できる学びや知見、教訓を導き出すことが大切です。

制度としては、支援対象団体には自己評価を行うことを求めておりませんが、活動支援プログラムに参加して取り組む課題解決の進捗状況を定期的に活動支援団体に報告していただきます。

活動支援団体が独自に、支援対象団体が自己評価を行うことを含めた活動支援プログラムを提案することは可能です。

活動支援を受ける対象は支援対象団体となりますので、活動支援プログラムにおける短期アウトカムの対象は支援対象団体(の事業や組織)となります。本制度では、担い手の育成によって社会課題解決が進むことを目的としていますので、中長期アウトカムでは、支援対象団体の変化とともに、支援対象団体の事業実施による受益者や地域の変化も想定していただくことが重要と考えます。

アウトプットの考察欄では、事業完了時点のアウトプットについて、状況、問題・懸念点、目標達成を妨げている要因(変更がある場合はその理由等)等を記載してください。資金分配団体の場合は全実行団体を包括して記載してください。
活動の概要欄では、各活動の進捗や実績等をご記入ください。

事業実施の結果生みだされる成果の可視化のために、数値目標を結果測定は有用です。定量的に示すことができる事業計画と評価計画の検討が望まれます。休眠預金活用事業では社会的インパクト評価を取り入れており、詳細はJANPIAウェブサイトに掲載している評価指針をご参照ください。
 
JANPIAウェブサイト|評価指針・評価ハンドブック等(外部リンク)

JANPIAでは、採択された資金分配団体向けに研修等を実施しています。実施の際には、資金分配団体向けの情報サイトやメール等で随時情報を発信しています。社会的インパクト評価については、他団体が主催する研修会・勉強会もあり、その内容は休眠預金活用事業にもご活用いただけると考えています。

社会的インパクト評価を実施することで、事業や活動が生み出す成果のみならず、課題設定や事業設計の妥当性等を可視化するこが可能となります。加えて、休眠預金を活用した事業として評価結果を公開することで、事業や実施団体に対する国民からの信頼が得られることなども期待できます。

社会的インパクト評価等に係る評価関連経費として、資金分配団体及び実行団体にそれぞれ事業費の助成額の5%を上限として支援します。評価関連経費の例としては、「評価や分野専門家による伴走支援、ロジックモデル(事業設計図)の検証の助言、成果・モニタリング指標の設定、評価計画作成等・類似事業の視察・意見交換・報告会の開催・冊子作成費用等」が挙げられています。