Q
社会的インパクト評価において、短期アウトカム指標を設定する際のポイントはありますか?
短期アウトカム指標とは、事業実施中や事業終了時に、短期アウトカムの達成の度合いをどのように測るかを示すものです。短期アウトカムに対して、どのような判断基準であれば「アウトカムを達成した」といえるのか、具体的な状況に落とし込むことで、指標を導き出します。指標を設定する際には、たとえば、5W1H(対象、種類、量、質、時期、地域・場所)のような具体的な判断基準を意識して設定します。短期アウトカムを測定する指標がその分野で確立されていない場合には、「信頼性」「妥当性」「感度」の観点から、設定する指標を検討します。信頼性は繰り返し同じ測定方法で測定した際に、一貫した解釈が可能な程度、妥当性は測定しようと意図しているものを実際に測定できている程度、感度は短期アウトカムの変化や差異を捉える程度を指します。
適切な指標が定まらない時には、短期アウトカムの変化を多面的に捉え、お互いの測定尺度の弱点を補うように検討します。特に、短期アウトカムの変化や差異の質を捉えるためには複数の指標設定が有効です。また、新しい取組みを行う事業では、事業期間をとおして指標の見直しを行い、より的確に短期アウトカムを捉える指標を開発していくことが求められます。短期アウトカム指標は、収集するデータの特定に基づいて定量あるいは定性データを選択します。定量と定性データのどちらかに偏りすぎず、それぞれの特徴を理解して短期アウトカムの変化を捉えるようにします。
最終更新日:2024.10.17